京都アニメーション制作『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』第4話「信心の娘」が、海外のアニメファンの間で大きな議論を呼んでいます。亡き夫への未練でふさぎ込む西陣織の店の奥様のために、坂本喜八が「死者と交信するための電氣の発明」に挑む一話。MyAnimeListの第4話ディスカッションスレッドには80件の返信が集まり、涙腺を刺激されたという声と「あれは結局、嘘では?」という問いが同時に噴き出しました。
作品概要
『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』は、結城弘によるKAエスマ文庫の同名小説を京都アニメーションがアニメ化した作品です(©結城弘・京都アニメーション/明滋電氣商工会)。舞台は、今ある歴史とは異なる進化を遂げた20世紀初頭の京都。蒸気機関のみが発達し、街は煙に覆われています。主人公は、機械いじりと発明を愛しながら、兄・清六(CV:小野大輔)と「二十世紀電氣目録」に描いた夢を兄ごと失って臆病を拗らせた坂本喜八(CV:内田雄馬)。その背中を押すのが、京都伏見の老舗「百川酒造」の次女・百川稲子(CV:雨宮天)です。あらゆる手段で目録を追う三添商店の御曹司・三添洋輔(CV:内山昂輝)が、二人の前に立ちはだかります。
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なぜ海外で話題になったのか
第4話が刺さった理由は、発明の見せ場ではなく、その発明が「騙し」として成立している点にあります。奥様が電話越しに聞いていたのは亡き夫の声ではなく、息子が作った声色でした。スレッドでは感動を語った直後に「でも、あれは嘘だ」と自分でブレーキを踏む書き込みが続き、同じ結論に別々の人間が独立してたどり着いています。誰も悪意で動いていないのに、手段だけが明確に不正なのです。
もう一つは構造です。夫を失って閉じこもる奥様と、母を亡くした後悔を抱える稲子が鏡のように重ねられ、「救う側も救われる側だった」という読み方が共有されました。そのうえでラスト数十秒、三添洋輔の地下に横たわる何かが映り、話題は一気に「あれは死体か機械か」へ反転します。泣かせ、倫理を問い、最後に戦慄させる構成が、80件の返信量に直結しました。
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海外の反応
海外の名無しさん
喜八、今回はちょっと自分の腕の限界まで攻めてるな。死者と話すための発明を作るところまでやる気があるのは感心する。この回は感情もかなり動いた。今回は独立した事件ではあるけど、それでも喜八が技術で何をできるのかを見せることに焦点が当たってる。この発明の限界をどこまで押し広げるつもりなのかも気になる。
海外の名無しさん
電話に、風呂に放り込むトースター? 喜八の発明、完全に波に乗ってるだろ。稲子の顔に浮かんだ心からの安堵、あれマジで尊い。表情芝居はどれもS+ティアだ、間抜けなやつも心に沁みるやつも。
海外の名無しさん
電気風呂は日本に実在するやつだぞ。要はマッサージ風呂だ。denki buro(電気風呂)っていう。
海外の名無しさん
前回は要するに街灯を作る話で、今回は電話ときた。おばあさんを”亡き夫”と話す状況に置いたのは、やり切る価値のある賭けだった。息子の低い声もよくやってた。あと稲子とおばあさんが階段を駆け下りるところ、あんな見事な作画を見せられるとは信じられない。千尋が階段を駆け下りるシーンとか、ソフィーがハウルに連れて行かれるシーンとか、ジブリを観てるみたいだった。
海外の名無しさん
今日勝ちを取ったのは蓄音機の試作を作った喜八だけど、これは本当は稲子の回だ。自分の家の話とあの奥様の境遇が重なって、彼女が喜八の背中を押さなかったら、こんなことは起きなかった。稲子はこういう状況が家族を壊すことを身をもって知っているから、他人に同じことが起きるのを黙って見ていられなかった。ベストガールだよ。……その一方で、少し後ろめたくもある。奥様は元気を取り戻したし、生き続けることは夫が望んだことでもある。それでもやっぱり嘘は嘘だ。善意から出た嘘、でも嘘は嘘だ。あれは夫の声じゃないんだから。
海外の名無しさん
このアニメは、今回キャラたちがやったことをわざと道徳的にあいまいなまま残したんだと思う。亡き夫と話していると言っておばあさんに嘘をついたのは事実で、実際に話していた相手は息子だった。でも同時に、夫の死を乗り越えて前に進むために必要な区切りを彼女に与えたのも事実だ。本人でなかったとしても、最後にもう一度話す時間を。じゃあ、彼らがやったことは間違いだったのか?
海外の名無しさん
個人的には、あのおばあさんは本当は亡き夫と話していないことを分かっていたと思う。ただ、心の安らぎが必要だっただけで。
海外の名無しさん
こうして史上初の電話詐欺が生まれた。これ、糸電話で済んだ話をかなり大げさにやってるよな。電氣いらないじゃん。あのラストは、そのうちオートマタが出てくることを示唆してるように見える。日本人はからくりが大好きだから。
海外の名無しさん
あれは人形とか操り人形とかじゃない、完全にサイボーグだ。(機械化まで入ってる?)兄貴に一体何があったんだよ。
海外の名無しさん
清六兄さんが亡くなったのは間違いないだろう。詳細はまだ明かされていないけど、たぶん例の戦争が絡んでる。で、洋輔は惚れ込みすぎて、その代わりになる人形かロボットを作った。あいつならやりかねないくらいイカれて見える。正直、内山昂輝じゃなかったら洋輔にはイライラしていたと思う。この手の役を演じる彼の声を聞くのは楽しい。
海外の名無しさん
洋輔を嫌ってる人たちがマジで理解できない。私は好きだよ、イカれてて、不気味で、意地悪で、美しい。他のキャラから浮いてるのは確かだけど、これスチームパンクでしょ? ちょっとイカれた奴が必要なの。ただ4話のラストの後だと、これは聞かざるを得ない。あいつ、清六を殺したの? 今の時点で三添を好きでい続けるには、あれはちょっと不気味すぎた。
海外の名無しさん
この作品、三添が一切出てこなければずっと良くなる。あいつが絡むプロットは全部作品を悪くしてる。本気で切ろうか迷ってる。切りたくはないんだ。稲子はまだ好きだし。悪役としても出来が良くない。結局あの気持ち悪い男との目録の追いかけっこで、たまに本物の発明の話でちょっと息をつける程度だ。
海外で評価が分かれたポイント
賛否の中心は、エピソードの出来ではなく三添洋輔というキャラクターでした。否定側の言い分は「嫌いだから」ではなく「機能していないから」に寄っています。目録に手が届きかけては何もせずに帰る、という同じ型を4話続けたことが「観客を馬鹿にしている」と受け取られ、彼の場面は本筋の発明パートから時間を奪うだけだという指摘が並びました。
一方の擁護側は、彼の過剰さこそがこの世界に必要だと見ています。大げさな台詞と表情が面白い、内心が読めないから一番興味深いという声に加え、内山昂輝の芝居があるから耐えられるという条件付きの評価もありました。第4話のラストは、その両陣営を同時に揺らしました。否定側は「地下のあれは面白くなる可能性がある」と留保を付け直し、擁護側は「さすがに不気味すぎた」と一歩引きました。嫌われ役の評価が、笑いから戦慄へ書き換わった回でした。
原作で続きをチェック
アニメの先の展開が気になった方は、原作である結城弘のKAエスマ文庫『二十世紀電氣目録』をどうぞ。第8回京都アニメーション大賞奨励賞の受賞作で、あらすじや試し読みは原作公式サイト(KAエスマ文庫)でチェックできます。
まとめ:ザワ速編集部の見解
ザワ速編集部が今回いちばん気になったのは、この作品が「電氣で人を救った」で終わらせなかった点です。技術は本物、動機は善意、けれど成立させたのは嘘。この三つを解かないまま置いたから、スレッドは称賛と後味の悪さの両方で埋まりました。
中でも唸ったのは「あのおばあさんは本当は亡き夫と話していないことを分かっていたと思う。ただ、心の安らぎが必要だっただけで」という一言です。これが正しければ、騙されていたのは奥様ではなく、騙したつもりでいた側ということになります。喜八が組み上げたのは死者と話す機械ではなく、生者が前を向くための口実だったことになります。
次回は第五話「愛の証明」。両思いが分かるという電氣目録の発明品を、京都帝大生・押江愛之助のために試すことになります。死者との交信の次は、生者の心を電氣で測れるのかという問い。そして地下の「清六らしきもの」がどこで再び出てくるのか。引き続き追っていきます。
参照元:MyAnimeList 話数別ディスカッションスレッド(2026年8月1日取得) https://myanimelist.net/forum/?topicid=2273532/公式YouTube https://www.youtube.com/watch?v=_O5ZVkdhQhc
